森岡は、湖心クラブで一日中過ごし、会員たちと様々な話をした。そして、夕暮れ時になって、ようやく皆と別れることになった。 湖心クラブを出ると、森岡は限定生産のブガッティ・シロンに乗り込み、かつて憧れの存在だった谷雪を乗せて、ヒルトンホテルへと向かった。 谷雪はヒルトンホテルに滞在しており、森岡は先に彼女をホテルに送り届けてから、従妹の山下美咲に会いに行くつもりだったのだ。 車内。 「森岡さん、今日は本当にありがとうございました!」谷雪は、感謝の気持ちを込めて言った。 もし今日、森岡が助けてくれなかったら、彼女は間違いなく終わっていた。 森永の言いなりになるか、それとも、明日には芸能界から姿を消すか。 森永には、それを実行に移すだけの力がある。彼女は、そう確信していた。 事務所の社長でさえ、森永を恐れているくらいなのだから。 谷雪は、顔を少し横に向けて、森岡の横顔を見つめた。 そして夢中になっていた。 顔、スタイル、性格、どれを取っても非の打ちどころがなく、おまけに、あの森永でさえも頭が上がらないほどの、強大な後ろ盾を持っていた。 こんな男性は、まるで夜空に輝く星のようだ。どこに行っても、誰の目にも留まる輝かしい存在だった。 一体、どんな女性が、彼のような男性にふさわしいのだろうか。 きっと、彼と同じレベルの女性だけが、彼の隣に立つことができるのだろう。 谷雪は、募っていく想いを、心の奥底に押し込めた。 「いえ、大丈夫ですよ。誰でもできることです。それに、谷雪さんの出演されている映画、結構好きなんです」森岡は言った。 「本当ですか?森岡さんのような方が、私の映画を観てくださっているなんて」谷雪は、驚きと喜びを隠せない様子だった。 まさか、森岡のような人が、自分のような女優に関心を持っているとは。 彼女は、驚きと喜びで胸がいっぱいになった。 森岡は、少し戸惑った。 そんなに驚くことか? 君は、今や新進気鋭のオタクキラーだよ。 若手人気女優の一人だぞ。 俺が、君の映画を好きなのって、そんなに意外なことか? 大学にも、君のファンなんてゴマンといる。 映画だけじゃなく、俺の寮には、君の水着ポスターが2枚も貼ってあるんだが! まあ、さすがに、それは言えないけどな。 「え
金碧輝煌カラオケ。 地下1階の個室。 山下美咲はトイレに閉じこもり、森岡翔に電話をかけていた。 今日は、友達とカラオケに来て、ストレス発散するつもりだった。ところが、たまたま同じ大学の先輩たちと鉢合わせしてしまい、一緒にカラオケをすることになったのだ。 すると、途中から、いかにも怪しげな男たちが数人、部屋に入ってきた。先輩たちとは顔見知りのようだった。 こうして、当初は数人だったはずのメンバーが、いつの間にか10人を超える大人数になってしまった。しかも、美咲は、そのほとんどの人間と面識がなかった。 美咲たちは、友達と相談して、この場から立ち去ろうとした。しかし、何度か試みたものの、男たちに阻まれてしまった。所詮、彼女たちはか弱い女の子であり、相手は7、8人の屈強な男たちだった。 男たちが帰らせてくれない以上、彼女たちは、ここから逃れる術がなかった。仕方なく、美咲たちは男たちに頭を下げ、ようやく解放してもらえることになった。 ただし、男たちは、美咲たちに酒を一杯ずつ飲ませることを要求してきた。美咲たちは、これ以上逆らうことができず、酒を飲んで、一刻も早くこの場を立ち去りたいと考えた。 ところが、美咲は酒を飲んだ後、急にめまいがして、体がだるくなってきた。彼女はすぐに、薬を盛られたことに気づき、トイレに駆け込んだのだ。 誰に助けを求めればいいのか…考えた末、美咲は森岡翔に電話をかけることにした。森岡は、今日、湖城に来る予定だと話していたのだ。 美咲は、森岡が早く来てくれることを祈りながら、スマホを握りしめていた。もし彼が来てくれなければ、彼女は、その先のことなど、想像したくもなかった。 森岡は、金碧輝煌カラオケへ向かって車を走らせていた。しかし、街中のため、スピードを出すことはできなかった。 地図アプリで距離を確認すると、このままのペースでは、到着まで20分はかかってしまう。美咲が、それまで持ちこたえられるかどうか、彼は不安だった。 そこで、彼は田中に電話をかけた。 「もしもし、森岡くんか?どうしたんだ?」田中の声が、電話越しに聞こえてきた。 「田中さん、金碧輝煌のオーナーを知っていますか?連絡を取れませんか?」森岡は焦燥した様子で言った。 「金碧輝煌?ああ、知ってるぞ。近藤の店だ。お前、近藤を探して…
森岡は、美咲の悲鳴を聞いて、いてもたってもいられなくなった。 街中は車で溢れかえっていたが、そんなことはお構いなしに、彼は猛スピードで車を走らせた。 何台もの車を追い越し、何度も接触事故を起こしそうになったが、神レベルのドライビングテクニックで、ことごとく回避していた。 金碧輝煌カラオケ。 地下1階の個室。 鈴木万里は、トイレのドアをノックしていた。 中に入った美咲が、なかなか出てこなかった。薬の効果が出始めた頃だろう。彼は、ドアをこじ開けようと決意した。 あんな極上の女子大生が、もうすぐ自分のものになる。そう考えると、万里は興奮を抑えきれなかった。 今日まで、あれだけの時間と労力をかけて準備してきたのは、この瞬間のためなのだ。 何度かノックしたが、返事はなかった。 万里は、もう待つことができず、ドアを蹴り破った。 美咲が電話をかけているのが目に入った。万里は、数歩駆け寄ると、美咲からスマホを奪い取り、電話を切った。そして、彼女の腕を掴んで、無理やりトイレから引きずり出した。 個室に戻ると、他の男たちが、それぞれ獲物に襲いかかっていた。 万里も我慢の限界だった。彼は、美咲の後ろから抱きついた。 薬を盛られた美咲は、抵抗する力もなかった。仮に薬を盛られていなくても、屈強な男の力には敵わないだろう。 美咲は、絶望に打ちひしがれていた。 美咲は個室に引きずり込まれた。 彼女の友人たちも、男たちに弄ばれていた。 彼女たちは意識ははっきりしているのだが、体は全く動かなかった。なすすべもなく、男たちの言いなりになるしかなかった。 美咲は、これから自分たちがどんな目に遭うのか、容易に想像がついた。 トイレから引きずり出してきた男は、すでに美咲を後ろから抱きしめていた。彼女は必死に抵抗したが、無駄だった。 その時だった。 個室のドアが、外から乱暴に開け放たれたのだ。 そして、20人以上のガードマンが、手にスタンガンを持って部屋に入ってきた。 「全員動くな!動いたら、頭をぶち抜くぞ!」 金碧輝煌カラオケの支配人、石川虎が、部屋に入ってきた。 個室にいた全員が、恐怖で凍りついた。誰も動こうとしなかった。 「山下美咲さんは、どなたですか?」石川は尋ねた。 「私です!私が美咲です
だが、オーナーに仕えるようになってから、彼も様々なことを学んだ。 時として、暴力は問題解決の手段とはならない。 それに、上の立場にある人間が、暴力で解決を図ることほど愚かな行為はない。 今では彼は、むしろ、地位や権力、そして圧倒的な実力を見せつけることで、相手を屈服させることに快感を覚えていた。今、自分の足元に跪いている男のように、自分の名前を聞いただけで土下座をして謝罪する姿を見るのが、たまらなく気持ちいいのだ。 「お前らもこっちに来い!」石川は、残りの男たちに言った。 男たちは、震えながら石川の前に進み寄り、万里と一緒に跪くと、自分の頬を叩き始めた。 万里でさえ逆らえない相手に、彼らが歯向かうことなどできるはずもなかった。 数分後、床に跪いていた男たちは、皆顔を腫らし、口角からは血が流れ出ていた。しかし、誰も手を止めることはできなかった。 もし石川が自ら手を下せば、平手打ちで済むはずがなかったからだ。 「もういい、今日はここまでにしてやる」石川が言った。 「ありがとうございます!虎様!」男たちは、安堵の表情を浮かべた。 ちょうどその時、森岡が部屋に飛び込んできたのだ。 部屋に入ると、スタンガンを持ったガードマンが20人以上もいて、数人の男たちが床に跪き、顔は腫れ上がり、口からは血が流れていた。そして、美咲がソファに座っていた。 「美咲!」 「お兄ちゃん!」美咲は森岡の姿を見ると、再び泣き出しそうになった。 森岡は慌てて美咲に駆け寄り、彼女を抱きしめた。 「大丈夫だ!もう大丈夫だから!」 「あなたが森岡様でしょうか?」石川が声をかけてきた。 「ああ、俺が森岡翔だ。妹を助けてくれて、本当にありがとう」 「いえ、森岡様。この度は、私の店でこのようなことが起こってしまい、大変申し訳ございませんでした」石川は丁寧に頭を下げた。 これはオーナーが特に気を配るようにと言い渡した相手だったので、彼は当然、軽はずみな行動は取れなかった。 「森岡様、彼らはどうしましょうか?」石川は尋ねた。 床に跪いている男たちは、息を殺して森岡の言葉を待っていた。 先ほどの会話から、森岡が只者ではないことは明らかだった。彼こそが、金碧輝煌カラオケの社長の友人なのだろう! 森岡は、床に跪いている男たちを冷
森岡翔は山下美咲と彼女のルームメイト3人を連れてカラオケを出たところで、あることに気づいた。このスポーツカーは二人乗りで、あと三人いるのにどうしよう?結局、森岡翔は仕方なく彼女たちを近くのホテルへ連れて行った。最初は一人ずつ部屋を取ってあげようとしたのだが、彼女たちは怖がって一緒に泊まりたいと言い張り、結局森岡翔はスイートルームを二つ、彼自身が一部屋、残りの四人が一部屋という形で取った。彼女たちの部屋を手配した後、森岡翔は自分の部屋に戻ってシャワーを浴びた。ベッドに横になり、先ほど起こった出来事を思い返すと、今でも少しゾッとする。美咲に何もなくて本当に良かった。そうでなければ一生後悔していただろう。もし今日、SCCに入っていなくて、近藤強と知り合っていなかったら、おそらく面倒なことになっていただろう。だから彼も悟ったのだ。どうせ使い切れないほど金があるし、神豪ポイントも必要だ。だったら、どんどん金を使って友達を増やそう。友達が多いほど道は開ける。いつ誰の助けが必要になるか分からない、今日みたいにね。そう考えた森岡翔は、近藤強に電話をかけた。「森岡さん!妹さん、大丈夫だったか?」電話口の近藤強が尋ねた。「彼女は大丈夫です。今日のことは近藤さんのおかげです。今後、私にできることがあれば何でも言ってください」「森岡さん、そんなことないよ。むしろ俺にも責任がある。俺の店で妹さんに怖い思いをさせてしまって申し訳ない」「近藤さんには関係ないですよ、彼女が警戒心が低すぎたんです。そういえば、近藤さん、今後お金が必要なプロジェクトがあれば、私に声をかけてください。投資しますよ。経営には一切口出しません。株主としてだけ関わります」森岡翔のその言葉を聞いて近藤強は内心喜んだ。まさにこれが、彼が森岡翔と親しくなりたいと思った理由だった。SCCに2200億も寄付して会員ランクを上げるなんて、森岡翔の資産は計り知れない。これはもはや普通の金持ちのレベルではない、間違いなくトップクラスの富豪や大財閥に匹敵する実力だ。こんな人物と親しくなれば、百利あって一害なしだ。「森岡さんがそこまで言ってくれるなら、実はちょうどいいプロジェクトがあるんだ。明日の夜、湖心クラブでチャリティー晩餐会を開くんだが、そこで話さないか?」
「今はお前も聞きたいことがたくさんあるだろう。よし、静かな場所に連れて行ってじっくり話そう」森岡翔は山下美咲を連れて、金碧輝煌の入り口にある駐車場に戻った。「乗れよ!」森岡翔は車のキーを取り出してブガッティ・ヴェイロンのロックを解除し、山下美咲に言った。目の前のカッコいいスポーツカーを見て、山下美咲は頭が追いつかない様子だった。「お兄ちゃん、こ、これはあなたの車なの?」山下美咲は少しどもりながら尋ねた。「俺のだ!とりあえず乗れ!」そう言って森岡翔は先に運転席に乗り込んだ。「あ、う、うん…」山下美咲はぼんやりとしたまま車に乗り込んだ。森岡翔は山下美咲を連れて海辺にやってきた。道中、この車の注目度はほぼ100%だった。あまりにも多くの人が彼らに熱い視線を送ってきた。道路を走っていると、他の車はみんな10メートル以上離れて走っていた。信号待ちでさえ例外ではなかった。ひと目見ただけで、関わりたくない相手だとわかった。二人は海辺で静かな場所を見つけ、手すりに寄りかかりながら、潮風が二人を通り過ぎていく音が聞こえた。「美咲、お前も聞きたいことがたくさんあるだろう。何でも聞いてくれ!」森岡翔は遠くの海を見ながら言った。「お兄ちゃん、あの車はあなたのものなの?」山下美咲は尋ねた。「ああ、昨日買ったばかりだ。ここ湖城でね。今回はお前の顔を見に来たのと、この車を買うために来たんだ」「この車、いくらしたの?」「16億円!」「い、いくらだって?」「16億円だ!」「どこでそんな大金手に入れたの?まさか銀行強盗しちゃったの?」「銀行強盗だったら、こんなところでお前と話してると思うか?それに、どこの銀行を襲ったら16億円も手に入るっていうんだ?」「じゃあ、そのお金はどこから来たの?」「自分で稼いだに決まってるだろ!」「どうやって稼いだの?」「そんなの、一言二言じゃ説明できないよ。とにかく、お兄ちゃんは悪いことしてないから安心しろ。今は正真正銘の大金持ちなんだ」「お母さんは知ってるの?」「知らない!」「じゃあ、誰が知ってるの?」「今のところはお前だけだ!」「本当?じゃあ、私にいくら口止め料払ってくれるの?」「いくらでも好きなだけやるよ!」「全然誠意がない!」二人はいろ
森岡翔と山下美咲は湖の中心に到着した。ヨットを降りると、すぐにウェイターに案内されて建物の2階へ上がった。「どうぞ!」ウェイターは2階のホールの扉を開け、二人に手招きして言った。森岡翔と山下美咲はホールに入った。そこはまるで別世界だった。広さは少なくとも5000坪はあり、豪華な内装に華やかな照明、100人以上の人々が集まって、あちこちで談笑していた。美貌でスタイル抜群のウェイターたちが、飲み物や食べ物を載せたトレーを手に、ホールの中を行き来していた。山下美咲はこんな場所に来るのは初めてで、少し緊張して、森岡翔の服をそっと引っ張った。「大丈夫だ、リラックスしろよ。食べたいものがあれば、自分で取って来い」森岡翔は山下美咲の肩を軽く叩いて慰めた。実は彼も、こんな場所に来るのは初めてで、内心は少し緊張していた。しかし、考えてみれば自分は世界一の金持ちだ。緊張する必要なんてないだろう。二人は一緒にホールへ入って行った。森岡翔は通りすがりのウェイターから、さりげなく一杯のワインを取った。一口飲んでみた。悪くない。山下美咲の方は、ずっと緊張した面持ちだった。「森岡さん!よく来てくれた!」近藤強はグラスを片手に近づいてきた。「近藤さん、お待たせしました!紹介させてください、こちらは私のいとこ、山下美咲です。湖城で大学に通っています。今後ともよろしくお願いします」「森岡さん、何を言ってるんだ、君の妹は俺の妹も同然だよ。美咲ちゃん、困ったことがあったら、いつでも連絡してくれよ。この湖城で、俺近藤強も多少は顔が利くから」そう言って、近藤強は山下美咲に金色の名刺を渡した。「ありがとうございます、近藤さん」山下美咲は小声で言った。「美咲ちゃん、まずは自由に楽しんでくれ。食べたいものは遠慮なく取ってくれよ、自分の家だと思って。俺は森岡さんと話があるから」「二人とも、行ってらっしゃい!」近藤強は森岡翔を連れて、3階にある個室へ案内した。彼らが個室に入ると、すでに二人が座っていた。男女一人ずつ、男性は40代くらいだろうか、穏やかで知的な印象だ。女性は30代前半くらいだろうか、薄い化粧で、大人の女性の落ち着きを感じさせる。「森岡さん、紹介するよ。こちらは田丸言さん、そして清水玲子さんだ」「こち
どのスイーツも本当においしそうだった。「うん、これ、すごく甘い!」「これはサクサク!」「これはいい香り!」「これはふわふわ!」山下美咲は一つずつ試食しては、気に入ったものを自分の皿に取っていった。「あれ!」山下美咲はある人物を見つけ、急いで駆け寄って行った。「あなた、谷雪さんですか?」谷雪は映画界の先輩と話をしていたところ、声が割り込んできた谷雪が声のする方を見ると、20代前半くらいの若い女性が立っていた。「こんにちは、谷雪です」「わあ!本当に谷雪さんだ!あなたの映画、大好きなんです!一緒に写真を撮ってもらえませんか?寮の友達もみんな、あなたのファンなんです!」山下美咲は興奮して言った。「応援ありがとうございます!これからも良い作品をたくさん作っていきます!」二人で写真を撮ると、谷雪は去って行った。山下美咲は撮った写真をラインのモーメンツに投稿した。そして「この人、誰だかわかる?」とコメントを添えた。それから携帯をしまい、また新たなターゲットを探し始めた。「あれ、人気俳優の山下凱斗さんじゃない?」「あれ、歌姫の氷室秋さんじゃない?」ホールに、片手にスイーツ、片手にスマホを持って、有名人と写真撮影に夢中の人が現れた。ほとんどの有名人が彼女と一緒に写真を撮ってくれた。今日ここに来ているのは、湖城で顔の利く人物ばかりだからだ。この若い女性はちょっとおバカな印象だが、もしかしたら大物と一緒に来てるのかもしれない。山下美咲は有名人との写真撮影に夢中になり、スマホにはすでに7、8枚の写真が保存されていた。どれも今をときめくスターたちだった。学校に持って帰ったら、友達が羨ましがること間違いなしだった。「山下美咲?」山下美咲がうつむいてスマホを見ていたら、声が聞こえてきた。山下美咲が顔を上げると、濃い化粧をした若い女性が、お腹の出た初老の男性の腕に抱きついているのが目に入った。「山下巧?」山下美咲は尋ねた。目の前の女性は、クラスメイトの山下巧によく似ていたが、化粧が濃いため、確信が持てない。「あら、本当にあなただったのね!どうしてこんなところにいるの?ここは湖城でも最高級のパーティーなのに。ああ、わかったわ、きっとアルバイトのウェイトレスで来てるのね?」山下巧は皮